トヨタの世界戦略とは
第22回トヨタシンポ-トヨタの人事管理があらゆる業種に広がる
今年で22回を迎えるトヨタシンポが、11月27日豊田市農村環境改善センターで行われ、西三河を中心に県内から120人が参加。
午前中の基調講演は、トヨタ研究の第一人者猿田正樹先生(中京大学教授)がトヨタのグローバル戦略の動向と題して、世界のトップをめざして勝ち組として君臨するトヨタの生産方式、ジャスト・イン・タイム、トヨタウェイと人事管理・労使関係について講演。
トヨタウェイにある「カイゼン」の中で「尊重・チャレンジ・チームワーク」とあるが、人間尊重という中身は企業利益に通じるものであって社会的なものでないこと。労働者にとってはストレスなど精神的苦痛が最もきわだつ場面であることを指摘。
長時間・過密労働の動機づけとは
そして、人事管理について、世界的研究・経験の成果のどん欲な吸収と独自のシステムを構築していることにふれながら、長時間・過密労働を長年労働者が行えるには「動機づけ」管理の構造があるとして、一生トヨタにしがみついて生きるしか道はなく、仲間に迷惑をかけたくない、小集団管理などにより会社の繁栄は自分たちの生活安定と向上・自己成長につながることなどを解明した。そして、トヨタが隠そうとする内部の問題や社会的な責任について私たちがもっと外にむけて正しい情報を発信することが必要となっていることを明らかにした。午後から、トヨタに働く労働者から期間工・派遣労働者が急増する職場の実態やトヨタの労務管理が郵便局やJR、中部国際空港など他の分野にどんどん広がりを見せていることや自治体における成果主義の実態についてなどが報告された。